医常は異常

地方で医学を学んでいるものです。おもむくままに書いています。

医師国家試験教材レビュー0 映像授業の全体像(2018年度版)

医師国家試験では多くの人が、映像授業を見ることとなります。

ただ寡占市場であるために、営業に来た方の推しであったり、先輩からの口コミであったりと、

判断材料が少なくなってしまいがちです。

どれが自分にあっているのか、後輩にとってその判断の一助になればと思い、レビューを書いてみようと思います。

 

本記事はその序論に当たるようなもので、

各論にはなるべく踏み込まず、俯瞰して説明するに留めようと思います。

 

 

 

CBTにおける予備校選び

まず、どの会社の予備校講座を選択するかです。

近年はCBTが国試の一部、特に基礎医学を補完する形となり、重要性は増すばかりです。

ただ、臨床に関しては、CBTの延長線上に、国試があると考えて差し支えありません。

 

なのでもし、CBTの基礎医学分野に対して自信があるようでしたら、

6年生まで同一の教材が使えるような配信をしている予備校の方が、

コストパフォーマンス的にはお薦めです。

しかし、どうしてもCBT特有のものやオーバーワークになりがちな分野などがありますので、

それに関しては大手予備校のCBT対策講座を受講したほうが効率性は良いかもしれません。

 

 

国試対策における予備校選び、特徴

多くの医学生を悩ませるのが、実習が始まると同時に視聴し始める国試対策かと思います。

病棟実習(=ポリクリ、BSL)の合間や、実習終わりに、その科や次に回る科の映像授業を見ている印象です。

 

国試対策講座の流れとしまして、歴史あるTECOM,MECといった予備校(後述)では

  • 4,5年のタイミングで視聴する全範囲を網羅した講座
  • 6年の後期から始まる総仕上げ、臨床の深い分野を解説

が大枠としてあります。それに付け加えて、6年の夏あたりから

  • 模擬試験
  • 必修対策講座
  • 公衆衛生

が開講されます。

そして、最後に

  • 予想講座(≒総まとめ、必修対策)

が待ち構えています。

 

それぞれのタイミングで別の予備校に乗り換えていたり、

逆に最初のタイミングですべてセットで購入している方もいます。

ちなみに私は前者でした。

 

 

予備校には大きく5社あります。

です。(各タイトルに各社予備校のリンクが貼ってあります。)

medicalから取ったのでしょうが、meから始まるサービスが多いですね。

 

そしてここまで書いて申し訳ないのですが、MACについては正直存じ上げておりません。

なにか情報がありましたら追記させていただきます。

 

先発のTECOM、MECが大学受験でいうところの駿台河合塾で、

後発にあたるmedu4やメディックメディアが東進、

といった印象でしょうか。

 

以下に特徴をざっくりとですが記載いたします。

詳しい内容はまた別の記事にまとめます。

 

TECOM

私が5年生の頃メインに受講していました。

三苫先生という、カリスマ講師を中心とした講座ラインナップです。

 

2018年秋口からは瘧師(ぎゃくし)先生という、

名前も雰囲気も一度見たら忘れられない先生がコマ数を増してきていますので、

今後は徐々に変わるかもしれません。

 

既にアウトラインが書かれているノートが配布され、

三苫先生が講義中に板書したイラストや表を適宜書き留める形式です。

奇をてらったことなどはなく、地道にコツコツと、といった印象です。

 

MEC

5年生では渡先生、6年生では受験生の間では神と崇められる孝志郎先生がメインに担当です。

 

私は6年生の講座を受講しましたので、

渡先生の講義スタイルにつきましては詳細は存じ上げませんが、

孝志郎先生は人を引きつけるような講義をなさいます。

 

形式は、殆どが配布されたテキストに書かれており、

孝志郎先生がOHCに映したテキストに、赤字で書いてあることを我々が写していく形です。

 

どの講師のレベルも一定程度担保されており、カメラワークなども含めて、受講者にとって安定感・安心感のある授業運営となっています。 

 

medu4

穂澄先生がメインといいますか、ほぼ一人でやっていらっしゃいます。

私は、産婦小児・公衆衛生を受講しました。

 

まだ若い先生で、twitteryou tubeなども積極的に駆使していらっしゃいます。

 

テキストなどは配布されず、また大学の試験対策委員を経由する必要がありません。

個人的に購入して、PDFをダウンロードする形です。利便性は抜群です。

 

iPad + Apple pencilを推奨なさっており、穂澄先生ご自身も講義ではそのようなスタイルで板書しております。

基本的には穴埋め形式ですので、

オレンジペンを使い、タブレットの上に赤い下敷を被せれば、

あっという間に暗記帳です。

 

今後、デジタルネイティブ世代にとってはこの形式がスタンダードになるのではないかというくらい、

画質や荷物の重さにストレスを感じずに済む講義形態となっています。

 

メディックメディア

清澤先生がメインでしたが、徐々に盛永先生の担当講義も増えて、今では半々くらいで分担なさっています。

 

こちらもmedu4と同様に、先生方が若く、twitterなどで情報発信なさっています。

授業形態は、電子黒板ないしはOHCでの書き込みです。

 

非常に見やすいですし、イラストが病気が見えるやQBのテイストなので、

勉強媒体を統一するという意味ではもってこいです。

 

今までは科目が不足しており、メインとはしづらかったです。

しかし、現時点でほとんどの講座が開講されているので、

今後は選択肢となり得ると思います。

(次年度から有料化するそうですが、QBを持っている人は無料扱いとなるそうです)

 

最後に

映像授業は正直どれも一緒、とおっしゃる方が多いですが、

信頼できる教材に巡り会えるかどうか、かなと思います。

 いくら良いコンテンツであっても、

映像の綺麗さを求める人にとってはそれはストレスですし、

講師との相性もあります。

 

 

今回はざっくりとシステムや、講師の印象についてできる限り中立性を保ちながら書いてみました。

私個人の感想などはまた別の記事にできたらなと思っております。